【陶芸】最も尊敬するceramics artist『ハンス・コパー』
こんにちは。
ceramicsstarです。
わたしが最も好きな陶芸作家『ハンス・コパー』。日本でも人気の陶芸家『ルー・シーリー』の工房に途中参加して共同制作したことは知られていますが、それ以外にはあまり多く取り上げられることがありません。セラミックスアートともいえる独自のスタイルで陶芸界に革新をもたらした『ハンス・コパー』のことを書きます。
日本でルーシー・リーとハンス・コパーの展覧会が2009年から2011年の同時期に開催され美術館を巡回しました。この年は非常にタイムリーな時期でした。
『ハンス・コパー展 20世紀陶芸の革新』より
■静岡県立美術館のサイトでは未だ詳細が記載されてます。
20世紀の陶芸界に革新を
20世紀をイギリスを代表する最も偉大な陶芸家としてバーナード・リーチ。そしてルーシー・リーとハンス・コパー。ハンス・コパーは、1920年にドイツで生まれた陶芸家です。父親がユダヤ人だったためにナチスの迫害を逃れながらイギリスへ亡命しています。1939年、ナチスに追われイギリスに渡るが、翌年カナダへ送還されてしまいます。
過酷な生活の中で彫刻家になることを決意したコパーは、イギリスへ戻った後、ロンドンにてルーシー・リーと出会い、彼女のもとで陶磁器製作を始める。同じ境遇の亡命者の陶芸家、ルーシー・リーの工房で共同制作したものもいくつかあります。
ハンス・コパーとルーシー・リー:お互いに信頼できるパートナー
イギリスに渡って間もない頃、ルーシー・リーはバナード・リーチから批判的な評価を受けました。彼女独自の陶芸世界をリーチ好みのものに変わっていく時に
『あなたはあなたの陶芸をすべきだ。』とハンス・コパーのアドバイスがあってこそ、彼女は自分の陶芸に立ち戻り、世界のファンが憧れる華やかなルーシー・リーの作品の世界を追求することが出来たのです。
ナチスドイツに追われ、時代に翻弄され故国を立ち去らねばならなかった宿命と過酷な時代の苦難とを共有し、これを共に乗り越えていくパートナーとしての信頼に裏付けられたものがあったと思います。
カップ&ソーサーのデザインなどは、造形に強いハンスが轆轤(ろくろ)をルーシーは釉薬が得意なので絵付けを行って制作をしました。
ハンス・コパー独自のスタイル
彼の作品の特徴は彫刻とも言える美しく芸術的なフォルムや独自の世界観は、エーゲ海西部のキクラデス文明の石像など古代彫刻の影響が強いと言われています。柔らかい女性像に代表されるものがそれにあたり、鋭い輪郭線と柔らかな曲面を併せ持つ造形です。その造形は、轆轤(ろくろ)で成形したパーツを接合させてできる『合接』という技法によるものです。
* 年代は紀元前3000年頃から2000年頃、新石器時代から青銅器時代初期にエーゲ海のキクラデス諸島に栄えた文明で、エーゲ文明に含められる。
コパーは気に入らない作品をすべて破棄し、手紙や書き残したメモなどもこの世を去る前にほとんど燃やしてしまいました。
ハンス・コパーの遺言の1つが『自分の生の痕跡を遺さないで欲しい』と語っていました。自身の著書も無く、作陶の姿を遺した映像もありません。すべて残された作品だけが彼の全てです。
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