【展覧会Ⅱ】和巧絶佳展 もうひとりのアーティストと3人の作家の好きなポイント
こんにちは。
ceramicsstarです。
パナソニック汐留美術館にて開催されている展覧会『和巧絶佳展』。
もうひとりイチオシの作家を追加して、昨日ご紹介した3人の作家好きなポイントを書きます。
『和巧絶佳展』
■会期2020年7月18日(土)~9月22日(火・祝)
■住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック汐留ビル4階
もうひとりの陶芸作家『桑田卓郎(くわた たくろう)』
初めて目にしたのは陶芸作家の前置きなしで訪れた奈良美智氏や村上 隆氏を世に送り出してきた『小山登美夫ギャラリー』での2009年の展示会。作品はポップでカラフルな金とか銀のひび割れ表現はかなりのインパクトで。ギャラリーの特性もあり、一瞬では陶芸作品には見えずオブジェと勘違いしていました。
素地と釉薬の収縮率の違いでヒビや割れが激しい『梅華皮:かいらぎ』陶土に含まれた小粒の長石が表に表れる『石爆:いしはぜ』。やきものに見られる伝統的な手法にオリジナルの感性で弾けた作品はセラミック、クラフトのカテゴリーの枠には囚われない下アートの世界。ファッション界で世界的な注目を浴びている気鋭の作家です。
『梅華皮:かいらぎ』
井戸茶碗の 高台付近に焼き付けられた粒状、縮れ状の焼き物の表現のことを『梅華皮:かいらぎ』と言います。焼成後、素地と釉薬の収縮率の違いで貫入が生じます。このヒビや割れが激しい状態になると梅華皮となります。。
『石爆:いしはぜ』
伊賀焼、信楽焼、備前焼などの特徴として見られる陶器を焼く際に、陶土に含まれた小粒の長石などが器面に現われたもの。石の白色と器肌の色とが一種の調和を示すので茶人などに賞美される。
■公式サイト:『桑田卓郎』
3人の作家の好きなポイント
共通しているのは『工芸』という世界の職人的な技巧、地道な手仕事による工程を現代の社会性、オリジナリティ溢れる表現手法に置き換えた美しいモノ。
『深堀隆介(ふかほり りゅうすけ)』
”水の中の金魚”のリアリティへの探究心です。完成の姿を予測する創造力、金魚と水の観察力、卓越したデッサン力の裏付けがなければ出来ません。通常透明なアクリル樹脂を流し込んで絵を描き何層にも重ねる作業を続けても、ここまでのリアルな立体感は出す労力は大変なものだと思います。
『舘鼻則孝(たてはな のりたか)』
友禅染の伝統的な文様と花魁の高下駄の和のテイストを最大限に生かし靴と言う洋への転用。新しい靴のカテゴリー『ヒールレスシューズ』。製品をアーティステックにエンターテインメント性を持たせる手法です。
『新里明士(にいさとあきお)』
中国の磁器の手法『蛍手(ほたるで)』を作家の現代的な感性によるオリジナリティへの追求です。器の表面に動きを表現するために小さな穴の間隔を変えて表現していること。釉薬で穴を埋めて光を全体に取り込み柔らかな空気感まで作品に持たせています。
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パナソニック汐留美術館 Panasonic Shiodome Museum of Art | Panasonic
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