ceramicsstarブログ

陶器とガラスのオリジナル商品の販売。デザインと企画制作をやっています。商品のご紹介、好きなものなどについて書いています。

【映画】『蒲田行進曲』すべては舞台のできごと【ネタバレ・感想】

 

こんにちは。
ceramicsstarです。

 

1982年の映画『蒲田行進曲』。
つかこうへい原作、爆発的にヒットした記憶がうっすら残っています。

最近、映画『コンフィデンスマンJP』のエンドロールが終わったところで、長澤まさみ演じるダー子が、『蒲田行進曲』劇中で銀ちゃん役(風間杜夫、演じる)になりきり、ヤス役(平田満、演じる)の東出昌大が階段から転がるのに、「死ぬんじゃないよ」と声をかける場面があったそうな。

そんなこと言ったっけ。だいたいラストはどうなるんだっけ?
気になったので確認がてら見直してみました。
ラストを忘れるくらいだから細かいストーリーも忘れていたので、新鮮な気持ちで楽しめましたし、別の視線で物語を追うことができました。

 

 

蒲田行進曲

 


あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション 蒲田行進曲 [Blu-ray]

 

3人のクセが面白い




京都の撮影所では『忠臣蔵』の映画撮影の真っ最中。

映画スターの銀ちゃん(風間杜夫)は、自尊心が高く、身勝手で、気まぐれ。
服装や仕草もキラキラの大袈裟で、車はド派手なキャデラック。
ザ・昭和のスターの典型のような役者ですが、それだけ大見栄を張るのは、本当は小心者で、周囲の変化が気になって仕方ない部分も持ち合わせているからです。


銀ちゃんの取り巻きで大部屋俳優のヤス(平田満)は、銀ちゃんの世話係の一人。銀ちゃんを心から慕っているが振り回されてもいる。だけどそのことを喜んでもいます。結局自分は終生大部屋役者でそこから逃れられないことをわかっているから、スターの銀ちゃんの華に憧れ、触れられるだけで幸せと思っているところもあります。


小夏はかつては女優として売れていましたが最近は鳴かず飛ばず
銀ちゃんの恋人ですが、力関係は銀ちゃんの方が上で、ヤス同様、振り回されています。

 

この3人の心情だけで面白い話が出来上がるのは、個性的な配役のなせる技なのでしょう。
改めて見直すと、出番自体はヤスの方が多いのですが、ヤスと小夏が二人になっても銀ちゃんの存在から逃れられず、影で生きる人間の悲しい性を背負っているのがよくわかります。

 

自己を確立させるか、従い続けるか

 

銀ちゃんは、妊娠している小梅をヤスに押し付けます。
ここでヤスに別の相手がいるか、小梅に対して気持ちがなかったりすれば違う展開になりますが、いいか悪いか、ヤスは以前から小梅の大ファン。願ったり叶ったりの申し出ですが、小梅はヤスに当たり散らし、当然ながらそんなに簡単にうまくいくはずがない。


ヤスの誠意が通じて小梅と生活ができそうになったと思ったら、若い恋人と別れて人気に陰りが出てきたと、精神の弱っている銀ちゃんが小梅に接近します。
ありがちな展開ですが、そこで小梅が首を縦に振らないのは、仕方ないことでしょう。


また、銀ちゃんはヤスにも、階段落ちのシーンがカットされ、自分の出番に光が当たらないと愚痴ります。
ヤスは自ら階段落ちを願い入れたようで、銀ちゃんに従わざるを得なかったところが大きい。
でも見直してみると、ヤスは銀ちゃんの希望を叶えることで、銀ちゃんと決別できると考えたのかもしれないとも思えてきました。
命がけの演技で役者としてのアイデンティティを確立させ、小梅との暮らしに銀ちゃんの幻を排除することができると考えたのかもしれない。そう考えるとヤスが命がけのスタントに臨もうとした気持ちもわからないではない気がします。


「上がってこい、ヤス!」


階段に上っても決心がつかず、本番を夕食後に遅らせたヤスですが、時間はすぎて本番の時は訪れます。
見事に落ちたヤスは起き上がって階段を這いずり上がる。
「上がってこい、ヤス!」
銀ちゃんはヤスに呼びかけます。

出産で入院していた小梅は、ヤスが心配でたまらず病院を抜け出して撮影所に向かう。
しかしついに力尽き倒れてしまう小梅が目覚めたのは病院だった。

ネタバレのラストは、すべては舞台での出来ごとということ。
騙されながらもつい観てしまった。
でも決して悪い気分ではない。

ceremicsstarでした。

 

 


 

ランキングはじめました!

 


北欧雑貨ランキング

 


陶芸ランキング