光りを映し出すやきものの図書館 前川國男の建築【その3】
こんにちは。
ceramicsstarです。
東京都美術館を設計した前川國男。実はやきものを建物の外装材として多用した建築家です。神奈川県立図書館は東京都美術館と同様にやきものを外装の壁に使用しました。隣接する神奈川県立音楽堂とともに前川國男の設計による戦後の日本建築の代表作と言われています。
前川國男が 神奈川県立図書館の外観に使ったやきもの
陶器製の穴あきブロック
図書館の外壁に手作業による陶器製の穴あきブロックを採用しています。新たに部材を製造して図書館外壁の改修工事を行いました。1954年に開館したこの建物は、戦後のモダニズム建築を牽引した前川國男氏の設計した建物です。四季、日照時間によって大きく変化する太陽の光を読書に適した量で取り入れることが出来る様に工夫されています。
当時のセラミックによる穴あきブロックを新たに製造し改修工事を行いました。
夜間にはブロックの穴から室内の光が漏れ、建物全体の雰囲気がでている。
建物の外装パーツ
外部空間には個性的で特徴的な設計箇所がいくつかあります。やきもののスクリーンを設置して自然光を緩やかに部屋で受け止めています。特異性のあるデザイン性の高い建物が実現できました。
桝目模様は枠型ホローブリックと呼ばれています。せっ器質の焼き物で中空形状を制作し、構成されています。
特注有孔ブロック 310×150×120(mm)
穴内部施釉再生したブロックの穴の内側には手作業での施釉処理がされています。
内観のこだわり
外部の緑を見ながら図書館で書籍を読む。そしてくつろげる空間です。現在は一部改修と増築などでやや様相はことなっているようですね。
外部から見たスクリーン
内部から見たスクリーン。近代建築の巨匠、ル・コルビュジエに日本人として初めて学び、戦後モダニズム建築の先駆者ならではの建築空間。
光りの入り方が美しいですね。
左手側には前川建築の特徴のひとつピロティとアールを描くコンクリート製の軒
前方正面は『神奈川県立音楽堂』。
前方右手に見えるのがやはり前川が設計した1962年開館した『神奈川県立青少年センター』
『神奈川県立青少年センター』と同じ通りに前川が設計した『神奈川婦人会館』もあり、横浜市紅葉ヶ丘は前川建築の宝庫です。
ceramicsstarでした。
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