【京菓子のこころ】手のひらの自然 京菓子展 2019 の公募展開催。【会場レポート2】
こんにちは。
ceramicsstarです。
先回の公募展内容と展覧会会場のレポートのお話の続きです。
先回の『京菓子展 2019 手のひらの自然 − 万葉集』の有斐斎 弘道館(本会場)に続き、
今回は、旧三井家下鴨別邸(特別会場)のご紹介をします。
『京菓子展 2019 手のひらの自然 − 万葉集』 特別会場
**写真は展覧会で個人的に撮影が可能だったものに限り投稿しました。**
■旧三井家下鴨別邸(特別会場)
下鴨神社の入口の鳥居の右手が、旧三井家下鴨別邸(特別会場)です。
旧三井家下鴨別邸は豪商・旧三井家の別邸です。
三井家11家の共有の別邸として三井北家(総領家)第10代の三井八郎右衞門高棟(たかみね)が建てた和風建築の邸宅です。
苔庭が広がり、写真手前には泉川(いずみがわ)から、水を取り入れたひょうたん型の池があります。
展覧会には出品者、関係者、取材される方々で賑わっていました。
和装の着物姿の方も何人かおりました。
主屋は三階建ての近代和風建築として価値の高いことから、平成23年(2011)に重要文化財に指定されました。三階部分は望楼となっています。
会場の手入れが行き届いた日本庭園。
苔むした庭に飛び石がリズミカルで良い感じです。
瓦や敷石で組まれた中庭の意匠は凝っていますね。
茶席の道具、掛け軸、調度品など、飾ってあった品々は素晴らしいものでした。
『旧三井家下鴨別邸(特別会場)』の展示作品
この公募展は、実作部門とデザイン部門、実作部門(茶席菓子、工芸菓子)があります。
すべての京菓子を展示のため、2日おきに制作しているそうです。
生菓子なので乾燥してしまうからとのこと。
では、ここでも個人的に特に気に入った作品をご紹介します。
午後の日差しの差し込み具合の非常に良い時間帯に写真が撮れました。
絶妙な感じで作品に光が当たっています。
床の間に置かれているのは、工芸部門の作品です。
写真右の作品
■ 銘
『非自想(ときじくのおもい)』
■詠んだ歌
『橘は実さえ花さへその葉さへ枝に霜ふれどや常葉の木』
写真左の作品
■ 銘
『夕波千鳥』
■詠んだ歌
『淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば情もしのに古思ほゆ』
■ 銘
『万葉の春』
■詠んだ歌
『我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも』
■ 銘
『梅の宴』
■詠んだ歌
『初春の令月にして気淑く風和らぎ梅は鏡前の粉をー(省略)』
■ 銘
『春流(しゅんりゅう)』
■詠んだ歌
『石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりけるかも』
■ 銘
『萬葉の秋風』
■詠んだ歌
『黄葉の散りゆくなへに玉梓の使いを見れば逢ひし日思ほゆ』
『京都の菓子文化』のまとめ
『万葉集』は日本で最古の和歌集。
その世界観を京菓子に投影した今回の公募による展覧会。
伝統ある京都の菓子文化を堪能し、いつも展覧会とは違いゆったりした時間を過ごせました。
建物や庭の空気も含めての展示。
時間が経過するごとに刻々と変化する室内の陰影。
京都の菓子文化は奥が深い。
ここでしか体験できない貴重な時間でした。
すでに夕方に近づき 日が陰り、軒の陰影が美しかった。。
鴨川の景色を最後に、京都の街に別れを告げます。
最後に今回入選して本会場の有斐斎 弘道館に出品したわたしの作品の紹介を。
■ 銘
『惜別の泪』
■選んだ歌
『小竹(ささ)の葉は、み山もさやにさやげども、われは妹(いも)思ふ、別れ来ぬれば』
ceramicsstarでした。
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