モノづくりのこころとは。これからの暮らし【その2】
こんにちは。
ceramicsstarです。
12月4日渋谷ヒカリエ8Fで『LONG LIFE DESIGN-2 祈りのデザイン展』開催されています。昨日は仕事に関係するガラスと陶器の会社と展示内容をレポートしましたが、今回は特にジャンルに拘らずに気になった製品のことを書きます。
『LONG LIFE DESIGN-2 祈りのデザイン展』公式サイト
会期:2020年12月4日(金)~2021年2月8日(月)
開館時間:12:00~20:00(入館は閉館30分前まで)
*12月31日は18:00閉館
※ドネーション形式(会場受付)
休館日:水曜日(1月1日~1月7日休館、1月8日より営業)
会場:渋谷ヒカリエ8F d47 MUSEUM
『LONG LIFE DESIGN-2 祈りのデザイン展』の内容
誰かのためのデザイン
高度成長期からブランドの知名度を大切にして価格の高い高品質のものが良いものとされてきた消費社会の日本。トレンドや都市での生活を優先し良い暮らしをしようと言う時代から現代は大きく変化しつつあります。
ローカリティが注目され、穏やかで健康的な人間の持つ本来の暮らしが重要視されつつあります。コロナ禍もあり『新しい働き方』や『リモートワーク』が加速しています。東京からの地方へ移住して住まいの拠点を移して働く考えも進みつつあります。
地方の工業製品も昔のように閉鎖されたモノづくりの世界からオンラインを通じて日本全国へそして海外へも情報発信されています。47都道府県の多くの会社は魅力ある商品のデザインを外部委託してマーケティング手法など活用し、いかに商品価値を上げてわかりやすく発信するかに注力しています。
会場の様子
作り手の自由な発想と追求したモノづくり
今回の展示は日本全国の工業製品の魅力はなにか、日本にはこんなに多くのよいモノがあると知らしめた展覧会でした。47都道県ならではの商品の魅力をシンプルに伝え、隣接するストアではそれらの商品購入することも可能です。今回は特にジャンルにとらわれずに個人的に良いなと感じたものを選んでみました。
東京都 /ミナ・ぺルホネン(minä perhonen) 『egg bag: エッグバッグ』
東京都現代美術館で展覧会が開催された『皆川明』氏のブランド『ミナ・ぺルホネン』のデザインのバック。できる限り布素材を無駄にしないようにデザインされたバッグはシンプルな装いのアクセントになります。取っ手も太く裏地も付いて丈夫そうです。大きな荷物は入らないので入れるのあれば小物類ですね。
デザインバリエーションも豊富で洋服はちょっと高くてと言う方には丁度良い価格帯だと思います。とても長く使えるように縫製も工夫されオリジナル性も高く、デザインも素敵ですね。
2015–2016→ Autumn / Winter Collection 「コク」
ミナ・ぺルホネンの制作工程
高知県 /ロギール・アウテンボーガルト:Rogier Uitenboogaart『ランプシェード』
ロギール・アウテンボーガルト氏はオランダ出身の『みこや』代表, 手漉き和紙作家,高知工科大学客員教授と言う肩書を持った方です。土佐和紙の本場、旧伊野町に移り住み原料栽培からの伝統手漉き和紙作りを行っています。
原料のミツマタやコウゾを無農薬・無肥料で栽培しているうそうです。手間はかかるし収穫できる量は少ないが原料から作った紙は良いものができますね。
これどのように作るのでしょう?
制作過程が一部高知県のホームページとYoutubeに掲載されています。
ロギール・アウテンボーガルト氏の和紙の照明制作工程
カズラでかたちを組んで紐で結束して照明の骨組を作ります。漆を表面に塗り乾燥させてから和紙を一枚一枚張り込んでいきます。
神奈川県/studio fujino『輪花皿』
木工家具職人の藤崎均氏の木製の洗練された皿の数々。あらためて樹木の木目の美しさとその特性、繊細な手仕事をうかがい知ることができます。
この皿の薄さと縁のせりあがった加工は難しいことこの上ないのでは。匠のフォルムは素材の美しさはもちろんのこと技術、機能、デザインがバランスよく融合しています。
カーデザインの原点回帰
今回の展示の中で他の商品とやや異なる雰囲気の展示コーナーがありました。それは『マツダ』のくるまづくりのための基本となるクレイモデルによる造形でした。大学でもこのようなことは学ぶのですが、車や飛行機などのデザインを考える上での『フォルム』を追求して抽象的に表現し、検証する工程です。この手法は車の世界では初期段階で必ず実施する手法で美しい形態、曲面、曲線、ボリュームなど全体イメージを検討します。
マツダ|マツダデザイン -This is Mazda Design.|マツダのクルマづくり
全体の車のカタチの基本となるクレイモデルによるフォルム。この段階では車のデザインはイメージは出来ない。先端から後部にかけての曲線の流れをつかみ、車の空気感や量感を捉える。
クレイモデルは最初はざっくりと削り、徐々に表面を滑らかに最後は光沢が出るまで綺麗に仕上げます。パネルの車の写真と比較するとわかりますが、クレイモデルの曲面をサイドビューとリアの曲面に反映させているのがわかります。
写真の車のフロントのボンネット形状とフロントグリルへの曲面の絞り込み具合はクレイモデルがカタチのベースになっています。
日本の未来のデザインの姿
グローバル社会と言われつつあるある現代。今回のコロナの様な感染症が世界を巻き込む事態がきっかけで大きく変わりつつある日本の働き方と日常の暮らし。これからの生活に向き合ったモノづくりやデザインに意識を集中していかなくてはなりません。
日本人の気質でもある真摯な姿勢での実直なモノづくりはこの時代には非常に重要です。使い手の心に配慮した安全で美しい商品。健やかな日常生活を過ごすことの価値が感じられる、そんな未来に向けての商品づくりができればと思います。
ceramicsstarでした。
下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
よろしくお願いいたします。
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