ceramicsstarブログ

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クリムトはやっぱり魅惑的な画家ですね。

こんにちは。

ceramicsstarです。

 

グスタフ・クリムトの没後100年にあたる2019年は彼の初期から晩年にかけての大作の展示が行われました。過去日本では最多となる25点の作品を目にすることができました。

もちろん私の好きな画家のひとりですから当時会場の東京都美術館に出掛けました。

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クリムト展/ウィーンと日本1900 リーフレットより
『女性の三時代』 1905年 油彩 180×180cm ローマ近代美術館所蔵 

 

 

クリムトについて

簡単な画家の変遷

1862年オーストリアのウィーン生まれクリムトは14歳で『ウィーン美術工芸学校』に入学。当時はアカデミックな美術教育を受けました。

ここでは基礎的な美術の手法や技法を学んでします。その後、弟エルンストを含めて新しい『芸術家カンパニー』を設立します。

 

30歳の時 その弟も亡くなり続いて父親を亡くし、母親はうつ病など不幸が続き、後の彼の絵画のテーマとも言える『愛・死・官能』に少なからずもそのことが影響を与えています。

 

1897年にはヨーゼフ・ホフマンを中心に建築家、芸術家、工芸家たちによりウィーン分離派を結成され、画家クリムト象徴主義表現主義の画家たちとともに新しい芸術活動スタートさせました。分離派会館(ゼセッション)の設立に関してはウィーン市との関係も良く無料で土地を提供されています。

 

  

ウィーン分離派時代の絵画

クリムトは生涯独身でしたが自分の絵のモデルなどとの間に生まれた子どもは14人。

そんな彼が最も信頼を寄せていたのは『エミーリエ・フレーゲ』弟エルンストの妻の妹。彼女をモデルとして描いた絵画もいくつかありますね。

 

彼の代表作のひとつで絵画のスタイルのターニングポイントとなった作品が

『ユディトⅠ』。 

金箔を大胆に使ったこの絵画は黒い瞳は半分は閉じた状態、頬はやや赤く染まり、口を開き歯を見せて官能的な恍惚の表情を浮かべ、胸をはだけている肖像画。上見る側の視点を釘付けにします。右側には血の気もない男の生首。

同じテーマで描かれた首を切り落とすリアルな殺人現場を描いた『カラヴァジオ』の『ユディト』とは大変対照的です。 

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 クリムト展/ウィーンと日本1900 リーフレットより
『ユディトI』 1901年 油彩 84×42cm ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館所蔵

 

絵画の材料とスタイル

クリムトの絵画の手法

物語性や神話性そして装飾による華麗な象徴的な絵画がクリムトの作品の特徴です。

また日本の平面的な装飾的技法(三角の市松や渦巻きなど)も積極的に活用しています。そして奥行き感のない『金色』を画面の中に多用しています。

 

金色以外の部分はリアルさや明快な輪郭は取り入れず、非常に曖昧ではあるが確かなデッサン力に裏付けされた色彩豊かな独自の表現技法を取り入れています。

 

 

2019年にドキュメント映画『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』が公開されました。ここでは多くのクリムトの作品が紹介されています。

映画「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」公式サイト 2019年6月公開

 

 

 

超目玉壁画作品:『ベートーヴエン・フリーズ』

ベートーヴェン交響曲第9番』からクリムトが着想した壁画で、絵画・彫刻・建築・美術工芸、そして『シラ―』の詩と音楽を総合的に融合させた傑作です。今回の展示では原寸大の複製(1984年)を現地 ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館と同様にコの字型に展示されてていました。(実際のサイズは約2m✖34m オリジナル壁画は1901-02年の作)

 本物はオーストリア絵画館の地下に常設展示されています。

建築家『ヨーゼフ・ホフマン』がデザインした展示室にウィーン分離派が目指す総合芸術の象徴的な壁画として『ベートーヴェン・フリーズ』が納められています。 

黄金甲冑の騎士が幸せのため敵に向かい、救済の楽園にいたるまでのストーリーを壁画で描いています。斬新で先鋭的な壁画の中では退廃・陰徳・官能・性といった当時はとても描けない題材に対して取り組んでいます。

着色スタッコ(漆喰仕上げ)にカゼイン絵の具、装飾には金と銀メッキ。現地はホールの構造上の制約から、プラスター壁面に装飾を施したものです。女性像の髪飾りには実際の宝石・装飾品のようなものが埋め込まれて立体的な仕上げになっています。

 

 

映画の中のグスタフ・クリムト

2016年に公開されたグスタフ・クリムトの映画『クリムト/Klimt』は彼の華麗で孤独な人生を、華やかな退廃的なサロンの風景などの映像を指し込みながら、その人生を走馬灯のように描いた伝記映画です。

病院に脳卒中で運ばれるクリムト。死の床で回想する1900年のパリ万国博覧会会場。高い評価を得たクリムトがそこで魅惑的な女性レアに心奪われ19世紀末のウィーンの幻想的な世界が展開していきます。

この映画に出ていたエゴン・シーレ役の『ニコライ・キンスキー』は実際のシーレの写真本人に似ていましたね。

 

クリムト /Klimt

 

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作品情報

 

公開年度 2006年 
監督 ラウル・ルイス

キャスト
グスタフ・クリムトジョン・マルコヴィッチ

レア:サフロン・バローズ

ミディ:ヴェロニカ・フェレ 

エゴン・シーレ:ニコライ・キンスキー


音楽:ホルフェ・アリエガータ
撮影:リカルド・アロノヴィッチ

 

 

 クリムトの絵画についてもうひとつありますよ。

女優:ヘレン・ミレン『黄金のアデーレ 名画の帰還』と言う映画があります。

 

 

ceramicsstarでした。
 

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