ミナ ぺルホネンの世界 デザイナー皆川明のこと
こんにちは。
ceramicsstarです。
昔から『ミナ』の愛称で知られるファッションブランド『ミナ ペルホネン』東京現代美術館の展示から巡回され、一昨日7月3日(金)、兵庫県立美術館にて『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』が開幕となりました。今回はデザイナー皆川明の『ミナ ペルホネン』の世界をご紹介します。
わたしは2019年11月16日〜2020年02月16日『東京都現代美術館』での展覧会を鑑賞しました。『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』の展覧会に出掛けたのは平日の冬の午前。あいにくの雨の寒い日でした。ファッションテキスタイル中心に生活スタイルや工業製品、建築空間にいたるまでその幅広い活動と考え方まで伝えるユニークな展示でした。「つづく」をキーワードに、ミナ ペルホネンの独自の理念や世界観を紹介していました。『ものづくり』の意味や、デザインの世の中や時代における役割なども伝える展示です。
■展覧会特設サイト https://mina-tsuzuku.jp/
■雑誌『美術手帖』の記事は非常にわかりやすい。
2095年につづくブランド。「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」展が東京都現代美術館でスタート|美術手帖
『ミナ ペルホネン:minä perhonen』
日本を代表するデザイナー皆川明氏が前身となるファッションブランド『ミナ』を立ち上げたのは 1995 年。2003年にはブランドを「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」に改名しました。一過性の流行ではない普遍的な価値を持つ『特別な日常服』をコンセプトとし、日本各地の生地産地と深い関わりを重ね独自の『ものづくり』をつづけています。ファッションだけにとどまらず、現在はインテリアや食器、建築などへの仕事の範囲とその世界観を広げています。
■展覧会の個人的&独断的ポイント
社会との関わりや独自性のある展示
今回、今年ブランド立ち上げから25年。『せめて100年つづくブランドに』と言うブランドコンセプトから四半世紀を迎え、その先を見据えた『つづく』を意識した展示内容でした。ファッションからスタートしたその活動は、その後、インテリアや食器、空間デザインなど扱うものを広げて社会性の部分を問う内容『つながる』『重ねる』『循環する』なにかが継続していく意味合いをも表現しています。
(写真は美術館の許可を得て撮影)
■『長く愛される服とは』常にそれと向き合いながら『ものづくり』に取り組んでいる。
『人生の記憶に残る』ものづくり
一番良かったのは最後の展示空間。個人が購入した服を展示に提供して何年も使用した思い出深い服と家族との思い出を文章で綴った展示空間。服と所有者との関係性を表現している。この服を着て、その時になにを感じたか、どんな時を過ごして来たかその人のストーリーがみえてきます。『ミナ ペルホネン』と使い手側の人生と歴史、周りの人とのかかわり方が伝わってきます。すべての人々がより使いやすいことはもちろん時代を越えた『記憶に残る服』これはあらゆるものづくりの作り手側には理想的なのでは思います。
■『ミナ ペルホネン』は服と同様に家具やインテリアクッションのテキスタイルも同様に月日の『経年変化』をデザインの手法として捉えている。二つの異なる生地で布を縫製し、上の生地が擦り切れても 下の生地が表面に出てくると言う『つくり』になっている。『時の記憶』として人や家族との触れ合った『感情的』な時間を表現することも魅力のひとつ。
『内面にあるもの』を映し出す。
デザインされたテキスタイルでも工業商品でもない皆川明の内面にあるモノ。グラフィックデザインではなくむしろ絵画だ。このような抽象化したパターンをテキスタイルに落とし込んだものでなく、皆川明氏の肉筆による内面の世界を描いたものも展示してあります。不思議なのはこどものようななにか不安や好奇心なのか、それとも意図的なのか無意識なのかこの人の摩訶不思議さを感じることができます。
■陶芸家安藤雅信氏と取り組んだレリーフ。皆川氏はデザインと絵付けを担当。
皆川明:絵 谷川俊太郎:文 共著『はいくないきもの』と言う絵本が あります。においをかぎたい、空を飛びたい、歌をうたいたい、そのように願ううちに、ちょっと変わった姿かたちになった『いきもの』のものがたり。これは彼個人の持つ内面の世界を不思議ないきものとして映し出しています。
はいくないきもの (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)
■以前見かけた皆川氏のショーウィンドーの絵
『minä perhonen:ミナ ペルホネン』の『魅力』をまとめると
多くの人に愛される長く使われる憧れと人々の記憶のような感情。そして独自の世界観。『ミナ ペルホネン』はファッションブランドとして人を惹きつけ日常的でかつ特別な服。これがやはり原点です。それを取り巻く周りの商品とインテリアが暮らしの中で『つづく』『継続する』を意味する人や社会との永遠の関わりを考えさせられる展示でした。美術館がこのような展示をするのも珍しく貴重な企画展だと思います。
■皆川明氏からのメッセージ&インタビュー、東京都現代美術館でのファッションショーの様子を特設サイトにて紹介しています。
mina-tsuzuku.jp/movie/
■『minä perhonen:ミナ ペルホネン』公式サイト
■『minä perhonen:ミナ ペルホネン』の商品
Iittala X minä perhonen 朗報!!
フィンランドの食器ブランド『iittla(イッタラ)』と『ミナ ペルホネン』がコラボした鳥モチーフのコレクションを2020年7月15日~イッタラの各ショップと公式オンラインショップとミナペルホネンの店舗、ライフスタイルストアで発売するそうです。皆川氏のこのコラボについてインタビュー動画が掲載されています。
詳しくはこちらのサイトから☟☟
『minä perhonen:ミナ ペルホネン』の本
■ 『minä perhonen:ミナ ペルホネン』の最新情報まで掲載しています。
Casa BRUTUS特別編集 ミナ ペルホネンと皆川 明 完全版 (マガジンハウスムック)
**わたしも持っていますがこの特別編集の雑誌を私はお勧めします。
■展覧会の図録(会場には限定版として各種表紙の異なる図録がありますよ。)
■最新版 皆川明氏の人生やはたらくことへの考え方を知ることができます。
ceramicsstarでした。
下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
よろしくお願いいたします。
minne.com
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