【医療】マリス先生のPCR検査と奇想天外人生
こんにちは。
ceramicsstarです。
暑い夏がやってきました。コロナ禍の状況はあまり改善されず、新型コロナ感染者数は増える一方で、昨日も全国の感染者数は1342名 6日連続の1000人超える状況です。その中で感染者を検査し調べる『PCR検査数』の件数を上げることが問われています。早急に感染者の陽性か陰性の診断が出るこの検査の対応力を上げなければという課題が巷では言われています。最近この検査法を発見し、ノーベル化学賞を受賞した『キャリー・バンクス・マリス』のことを知りました。
『キャリー・バンクス・マリス（Kary Banks Mullis）』
アメリカ合衆国の生化学者。（1944年12月28日 - 2019年8月7日）今回の世界規模の新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の拡大が起こる数か月前の昨年の夏に亡くなりました。
アメリカノース・カロライナ州生まれ。
シータス社の研究者時代に、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応）法を開発し、DNA増幅方法を考案。その功績で1993年のノーベル化学賞および日本国際賞も同時受賞しました。
■キャリー・バンクス・マリス個人サイト
『PCR検査』とは
PCRとはポリメラーゼ連鎖反応（polymerase chain reaction)によるDNAサンプルのある領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応または技術のことを言うそうです。英語表記の頭文字からPCR法、PCRと呼ばれています。『PCR検査』とは、 DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素の働きを利用して遺伝子領域を増幅させることで少量のサンプルを増幅させることで検査に有効な数を確保して検査することが出来る。この技術の応用で感染症の高度で迅速な診断ができるそうです。
新型コロナウイルスに感染の可能性がある患者から採取した検体を調べ、新型コロナウイルス特有の遺伝情報、塩基配列情報があるかを調べます。それが見つかれば、その患者は陽性と判断、新型コロナウイルスに感染していることがわかります。
映画『ジュラシック・パーク』の中で琥珀の中に閉じ込められた恐竜の血液を吸った蚊からその血液のDNAを取り出してPCRで増幅させ恐竜を現代に再生するアイデアのもとになったのは彼のPCRの開発だったとは驚きです。映画の中では『DNA再生の暴走』の原因を招くこの技術の否定的な側面も描かれていました。
『PCR検査』別の側面での警鐘
長い歴史の中で世紀の大発明を行った化学者たちは自分たちの研究や功績が世の中に大きな影響を与えることでの不安や社会的混乱、戦争への研究の転用の可能性などを危惧してきました。この検査ありきの考え方を先に持ってくると、国家の合法的な感染者隔離の政策を危惧しています。これがエスカレートしての恐怖社会の危険性をも警鐘しています。昨今の日本のニュースでもよく取り上げられる感染症の恐怖や不安から、心無い人々の『中傷』『誹謗』『差別』と言ったことが必ず生まれてきています。戦後75年経過して平和国家の日本でさえも現在では他人に対して激しく攻撃したりする心理が働いている場面が見受けられます。
『マリス先生の遺言』
マリスが語った遺言はなんと驚きなのですが『PCRを感染症の診断には決して使ってはならない』。これをどう考えたらよいのでしょうか？この開発者の遺言に混乱をしてしまいました。遥か昔から世紀の大発明者は自分自身の研究には非常に懐疑的ではありました。火薬の発明からの転用が戦争に使う人を殺傷する武器へ、原子爆弾と言う発明をやはり国家間のバランスを保つ核兵器へ転用したり、研究や違うかたちで発明の応用により歴史が大きく塗り替えられてきました。戦争でもそうですが、利権の為に動く研究者の集団化や製薬会社の利権のために研究が悪用されたりすることへの警鐘でしょうか。検査が進めば多くの診断が可能、自動的に陽性者は隔離、感染者が増大してその先には。
『マリス先生の奇想天外人生』
マリスの自伝があるそうです。PCRの発見はガールフレンドとのデート中に浮かんだとか。幼少の時代から実験が大好き。LSDトリップ体験でイマジネーションアップ。醸成大好きで結婚は4回。サーフィン狂。一度読んでみたい。このような自由な方だからこそ純粋に研究に打ち込み、名声や利権にはあまり肯定的ではなかったのでは。
ceramicsstarでした。
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