永遠の様式美 前川國男の美術館 【その1】
こんにちは。
ceramicsstarです。
東京都美術館は、日本初の公立美術館であり名画の企画展示はもちろんのこと日展、二科展などの公募展覧会の会場として国民のために使われ、日本の芸術の先端と言われた美術館です。
1926年当初の建物は岡田新一郎の設計。そして1975年9月に株式会社前川國男建築設計事務所(現:株式会社 前川建築設計事務所)に設計委託されました。
前川國男建築設計事務所の設計により建て替えが行われてから約30年以上、大規模改修工事は行われませんでした。2006年になると施設の老朽化した設備などを入れ替える必要が生じて2010年から2年間休館しました。老朽化した場所の改修と一部増築工事も終え、2012年4月1日に開館しました。
東京都美術館 前川建築の外観の見どころ4つのポイント
美しい建物全景
美術館機能の1/2を地下に設け『上野恩賜公園』の自然景観と調和させるという、当時高く評価された前川プランを改修工事は踏襲しています。
中央棟2階の奥に食堂を新設し『上野恩賜公園』の園路再構築に伴う動線計画といった空間的な変更、バリアフリー、省エネの対策など様々な視点で検討されました。東京都が掲げた方針は『前川建築の保存』です。
上野恩賜公園からの美術館の配置による視覚的な誘導
ピロティのグラウンドラインと2Fのグラウンドラインの中間に踊り場を設けた
立体的な空間設計。
公園からもう一箇所の出入口付近。全景はこれ以外にもいくつかの見どころがあります。
建物の建築素材
外装を覆うのは『打ち込みブリック』(一部レンガ)を外装壁に採用しています。当時タイルをコンクリートに流し込み一体化させて、耐久性を高めることを考えています。それによって構造的にも強く、豊かな温かみのある空間を実現できました。その他タイルを外装床及び内装壁にも多く使用しています。
細部ディテールのこだわり
前川が希望したタイルは開口部や巾木の部分の納まりなど細部の素材の使い方が美しく納められています。床から立ち上がりの入隅部分をタイルを使用して床と壁の一体感、そして曲面により清掃性がよく掃除もしやすい納まりになっています。
階段部分の詳細デザインはタイルで綺麗に施工されています。
タイル壁面の裏側にコンクリートを流し込み一体化させ耐久性を高めることが考えられています。この工法によって建物の構造的も強くなり、柔らかな空間を生み出しています。
外装壁及び床に用いられた打ち込みブリック(タイル)及び湿式タイル復元が行われています。
ピロティのある建築空間
前川國男の建築で必ずと言っていい程、使われるのがピロティ。モダン建築のル・コルヴィジェの代表作『サヴォア邸』に見られるスタイルです。
2階以上の建物において地上部分が柱(構造体)を残して外部空間とした建築形式です。地上部分の構造体のみの空間自体のことも指します。
ceramicsstarでした。
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