【陶芸】現代の先鋭的な造形を持つ備前焼の陶芸作家『隠崎隆一』
こんにちは。
ceramicsstarです。
日本古来の陶磁器窯の中で、中世の時代から現在まで生産が続く代表的な6つの窯である日本の六古窯。そのひとつが備前焼。わたしが好きな現代日本の備前焼の陶芸作家『隠崎隆一』。彼は伝統工芸の備前焼の陶芸家としては異なり異色の経歴を持つ方です。現代の備前の陶芸界を牽引する陶芸家『隠崎隆一』のことを書きます。
日本で本格的な備前焼の展覧会が2019年2月22日から5月6日まで東京国立近代美術館工芸館で開催され2020年10月11日~11月8日岡山県立美術館にて巡回予定です。
東京国立近代美術館工芸館は惜しくも閉館し石川県に移転の計画が進められています。
この展示の中では現代の備前焼の作品として『隠崎隆一』氏の作品が多く紹介されていました。
わたしの今回の目的はこの展覧会と2019年4月14日(日)隠﨑隆一氏の作陶デモンストレーション。これは非常に勉強になりました。
『The備前展 土と炎から生まれる造形美』
国立近代美術館工芸館 2019年2月22日~5月6日
東京国立近代美術館工芸館 2019/2/22-5/6
今回の展示は桃山時代の古備前の名品から、古備前により大きな影響を受けた近代の作家、更に時代を経て継承された備前の技術を自分自身で確立する若手の作家の作品まで充実の展示になっています。重要無形文化財保持者の作品も紹介された『備前焼』の素晴らしい世界を堪能できます。
■これからの巡回展示
『The備前展 土と炎から生まれる造形美』
岡山県立美術館 2020年10月11日~11月8日
*備前焼豆皿付きチケットなるものを限定300枚で販売しているらしいです。
■ここからは隠崎隆一氏について書いてみました。
*掲載した写真は撮影許可を得たものです。敢えてディテールの質感をクローズアップしました。
備前の陶芸界に新しい表現を
隠崎隆一氏は1950年長崎五島列島椛島に生まれました。陶芸専攻ではなく大阪芸術大学でグラフィックを学んで卒業後はデザイン会社勤務の企業人としての異色の経歴の持ち主です。その後1知人の紹介で岩本修一に弟子入り、一年余り土づくり、窯焚きなどを習います。岡山県備前市で伊勢崎淳氏(現重要無形文化財「備前焼」保持者)に7年半師事して独立しました。瀬戸内市長船に窯を築き陶芸家としての道を歩んでこられました。彼のスタイルは土の特性、敢えて荒くざっくりした陶芸には向かない土を逆にその特性を生かしながら独自の道を突き進んで作陶されています。
作陶で目指すもの
隠崎の言葉で『事に仕えて』とは『自然への畏敬の念とあるがままの心を表現すること』という彼の作陶理念を表した言葉があります。隠崎の作品の世界を語っていると思います。彼独自のスタイルを追求しています。伝統的な備前焼のかたちにとらわれることなく自由な造形を生み出し、多彩な焼締めの方法で作陶されています。
土の特性と独自のスタイル
彼の作品の特徴はきめ細かい田土よりも山土を使用した荒々しいテクスチュアによる作品が多く、斬新かつが魅力です。展示方法も非常に工夫されてデザイン出身者であることから、作品自体の演出方法にも秀でてています。備前の風土や自然、土に対する造詣も深い。隠崎氏は備前焼を『備前の土と焼成による無釉焼締陶』と定義されています。2012年以降は良質な田土と土としては粗悪な原土をブレンドしたものを使用して焼締の可能性を追求されています。
■その他の過去リーフレット
2014年菊池寛実美術館で隠崎氏の展示会
■その他過去記事
下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
よろしくお願いいたします。
minne.com
ランキングはじめました!