【デザイン】世界で最も軽い椅子をデザインした『ジオ・ポンティ』はタイルも作っていた。
こんにちは。
ceramicsstarです。
世界で最も軽い椅子で名を馳せた『ジオ・ポンティ』。大学生時代の椅子の実習で初めて手に触れ持ち上げました。あまりの軽さに「これ本当に座れるのか」と疑問を覚えたのは遥かに遠い昔。なんと『ジオ・ポンティ』はタイルも作っていた。随分前に行われたLIXILギャラリーで行われた『建築の皮膚と体温 イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界展』のことを書きます。
■699(スーパーレジェーラ)について
ジオ・ポンティがデザインしたスーパーレジェーラ(超軽量)と呼ばれるアームレスチェア。1952年から1957年に完成するまで5年を掛けて開発した椅子です。極限まで削ぎ落とされた幅18mmの三角形フレームと、重さ1700gという軽量の椅子は丈夫さと軽さを完璧なバランスで仕上げて制作しています。オリジナルは3mmの籐で編まれていて、この椅子のヴィンテージの類は概ね状態が悪いみたいです。
製造はカッシーナ社(Cassina IXC.)
■会場の展示風景
今回のタイトルの中にある『皮膚』建築物の外壁の表層つまりタイルのことです。『温度』そこに感じられる気分や感情的なことを表しているのでしょうか。
床にも壁にも外壁タイル、内壁タイルなどが敷き詰められていました。当時の制作の様子などパネルや模型など実物の復元事業の内容もよくわかりました。
*残念ながらLIXILギャラリーは閉館となります。
デザイナーであり建築家『ジオ・ポンティ』
1891年にイタリアで生まれの彼はやっぱり歴史に残る椅子の名作のイメージがぬぐえません。経歴としてイギリスの食器陶磁器メーカーの『リチャード・ジノリ』のディレクターをも務めた様ですね。陶器や食器のデザイン、さらにビルの設計までを手がけたデザイナー。また建築家としてもいくつかの建物を手掛けています。
デザイナーであり建築家でもあった『ジオ・ポンティ』はイタリアで教会やホテルなど比較的中規模の建築をいくつか設計しました。外観からインテリアそして家具まで幅広く建築とデザインを捉え追求したイタリア人マエストロです。
『ビエンコルフ・ショッピングセンター(オランダ、アイントホーフェン)の外壁タイル』
デパートのファサードの外壁ですが、結構複雑な色合いの窯変タイルです。青銅釉に似た質感の釉薬ですが、グリーンのベースの色も単純に1色ではなくコンプレッサーで吹き付けて濃い暗い色を更に吹きかけています。これは現地のタイルを再現して制作していました。レリーフは石膏型を使用して成形していました。
■レリーフのトップの部分は素地の色が透けて見える。
その他の外装タイル
1961年から1963年に建造された、ジオ・ポンティ設計『サン・フランチェスコ教会』の外壁は現地の修復に伴い外壁タイルを1年間の試作期間を経て2008年に復原制作されました。四角錐の稜線の部分は釉薬の粘性を調整して、当時の手づくりの柔らかさが残るようにしている。太陽光の反射の変化を狙って四角錐という形状したと思われます。
『サン・フランチェスコ教会』の外壁タイル
詳細の制作については下記のサイトに掲載されています。
『ホテル・パルコ・ディ・プリンチピ』の床タイル
カラフルなオレンジとイエローで構成した床タイル。床のデザインは幾何学的に処理して連続性に配慮。目地を感じさせないデザインとしています。明るく楽しい絨毯のようなタイルです。
■ガッビアネッリ社「床タイルの再現」1956年 パオロ・ロッセッリ
イタリアの「ホテル・パルコ・ディ・プリンチピ」のためにデザインされた内装床タイル。全部で30種類の幾何学模様を組み合わせています。『ジオ・ポンティ』は「建築の秩序は床からはじまる。」と捉え、その上で床を「建築を完成させるすべての可動なもの(家具)と生きるもの(人を含む)が、その上で試合を交わすチェス盤」だと考えていました。
■『ホテル・パルコ・ディ・プリンチピ』の床タイル
***Gio Ponti(ジオ・ポンティ)』がデザインした『ホテル・パルコ・ディ・プリンチピ』のタイルを1/50サイズのミニチュアに復刻してオンラインショップで販売していました。下記以外でもいくつか取り扱っているお店はいくつかあります。
ceramicstarでした。
建築の皮膚と体温―イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界
Sambonet " Concaジオ・ポンティ"セット24ピース銀製中空ハンドルオルフェーヴルS /スチールSilverplated
■その他の過去記事
下記サイトでオリジナル商品を販売しています。
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