【映画】『グッバイ、レーニン!』愛ある猿芝居家族
こんにちは。
ceramicsstarです。
映画『グッバイ、レーニン!』。
東西ドイツ統一前に、東ドイツに暮らす家族の物語。
グッバイ、レーニン!
作品情報
制作年度 2003年
上映時間 121分
監督 ヴォルフガング・ベッカー
キャスト ダニエル・ブリュール、カトリーン・ザース、マリア・シモン、チュルパン・ハマートヴァ、フロリアン・ルーカス
東西ドイツ統一後、あってもおかしくないような話
東ベルリンに暮らす一家は、父がひとり西へ亡命してしまい、母と息子と娘が残される。
母はショックでふさぎこむものの、社会主義に貢献することで復活します。
しかし時は東西の統一前、母親は暴動に巻き込まれて寝たきりの意識不明になってしまう。
子供たちは心配しますが、母を残して社会は一変し、息子と娘の生活も短期間で資本主義的暮らしへと。
8ヶ月後、母の意識が戻りますが、真実を報せることは母に対してショックすぎるからと、母親の目に見える範囲だけ変わっていないように取り繕います。
ベッドの中とはいうものの、意識は戻っている相手に対して、どこまで猿芝居ができるのか。
「嘘も方便」を映画にしたコメディです。
根底に愛情があるから
姉と弟が周囲を巻き込みながら、母に嘘を吐き続けるのですが、テレビ番組から食べ物、窓の外の景色まで目覚しく変わっているので、取り繕うのも結構大変です。途中で疲れ果ててしまうことと、嘘を吐くことへの罪悪感から、本当のことを打ち明けた方がいいのではなどと葛藤したりも。
でも母が真実を知ったらどうなるか、子供たちは心配でたまらないから、なんとニュース番組まで作ってしまうのですが、やっているうちに、息子まで母の世界を自分の喜びと感じるようになるところが面白い。
それと息子と娘は100パーセント愛情と善意だけでやっているところが、切ないけれどおかしみがあります。
実際にこんな話があったら大変ですが、何となく、あってもおかしくない気もしてくるので不思議です。
よくある「実話をもとに〜」と書かれてしまえば、納得してしまうかも。
人間は社会性の生きもの
一度は回復した母でしたが、再度倒れて病状が思わしくないからと、息子は父を迎えに行きます。
実は父と母が別れたのには理由があったのですが、それにしたって父が母を見棄てたことに変わりはない。
人は何かしらの社会に属さないで生きていくことは難しく、父は母より自由という名の社会を選びました。母は父と自由より、子供を選んだ。結果的にはそういうことでしょうか。
どう考えても悲劇ですが、そこが面白おかしく楽しめるのはなかなか。
人間は社会性の生きものなんだなと改めて実感させられる話でした。
ceramicsstarでした。
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